熊本市南区 動物病院 烏城ペットクリニック | 犬・猫・うさぎ・フェレット・ハムスター
症例解説

整形外科「 膝蓋骨内方脱臼 」

膝蓋骨内方脱臼とは

膝のお皿 ( 膝蓋骨 ) が内側に外れる病気を言い、小型犬に多くみられます。チワワ、トイプー ドル、ヨークシャーテリア、ポメラニアンが代表的で、3歳以下の発症が大半を占めます。 原因は完全には解明されていませんが、外傷などの脱臼を引き起こす明らかな原因が見当たらない場合は、先天的な骨格の異常が根底にあるのではないかと考えられています。 代表的な症状は、突発的に足を挙げてスキップするように歩き、しばらくすると通常の歩き方になるというもの。成長期で強い脱臼があると重度の足の変形が急速に進行することがあります。中高齢になって、前十字靭帯断裂や骨関節症を合併することで症状の悪化がみられることもあります。症状がなく、病院での身体検査で初めて発見されることもしばしばです。 診断は、後足の触診で可能です。X線検査で他の合併症や骨の変形、関節症の程度などを評価します。

症状
(典型的な立ち方:腰を落として、膝が内側に捻じれ、足先が内側に向かっています。膝が伸ばせないためにかかとが外を向き、足首がまっすぐ伸びてしまっています。)
(X線検査:手術前には左右の膝蓋骨が内側に外れています。左足の手術を行った後の検査では、手術を行っていない右足と比較して膝蓋骨が大腿骨の真ん中に戻っていることが分かります。)
・重症度
グレード1 通常の歩行では脱臼しない。膝蓋骨を手で脱臼させられるが、手を離すとすぐに元の位置に戻る。症状や足の変形はほとんどみられない。
グレード2 定期的に脱臼し、外れたときにはスキップのような歩き方をする。足の屈伸で自然と膝蓋骨が元の位置に戻り、歩き方も正常になる。
グレード3 膝蓋骨が常に外れている状態。手によって正常な位置に戻すことができるが、足の屈伸ですぐに外れてしまう。
グレード4 膝蓋骨が常に外れている状態で、手で元に戻すことができない。
重症度を評価することは、進行の評価や手術方法の選択にとって大変重要です。
治療
  • 保存療法:無症状、成長期を終えた犬では手術ではなく経過をみていく保存療法がしばしば選択されます。膝蓋骨内方脱臼に前十字靭帯断裂や骨関節症が頻繁に合併するため、滑る床での激しい運動や肥満は避け、定期的に病院で足の検診を受けます。関節炎予防や関節軟骨を保護するようなサプリメントも有用です。症状が頻繁にみられたり、重症度の高い患者には手術をお勧めします。
  • 手術:いくつもの方法を患者によってオーダーメイドで組み合わせて手術します。重症度が高く、足の変形が強いほうが手術の難易度は高 くなります。
    • 内側支帯の開放と関節切開:膝蓋骨を内側に強く引っ張っている筋肉や関節包を切断・切開します。
    • 大腿骨滑車形成術:ブロック型滑車形成術やくさび型滑車形成術など様々な方法が考案されています。目的は膝蓋骨の通る溝を深くして脱臼しにくい状態を作り上げることです。
      (くさび型滑車形成術:膝蓋骨が通る溝をくさび型に切り、一段溝を低くして軟骨を元 の位置に戻しています。矢印が低くなった段差。)
    • 骨粗面転移術:膝蓋骨がつながっている靭帯はすねの骨(脛骨)に付いています。脛骨が内側に捻じれている場合は、靭帯の付着した骨を外側に移し替えることがあります。脛骨の一部を切り、正しい位置にピンで再固定します。
      (脛骨粗面転移術:大腿四頭筋-膝蓋骨-脛骨粗面が一直線になるように、脛骨粗面を少し外側に移動しピンで固定しています。
      黄色矢印が移動した部分。手術後の X 線検査で2 本のピンが確認でき、膝蓋骨が正しい位置に戻っています〔赤矢印〕。)
    • 外側関節包の縫縮:伸びきった外側の関節包を縫い縮め、膝蓋骨を外側に引っ張ります。
    • 膝蓋骨-脛骨回旋制動術:脛骨が内側に回ると、それに引きずられて膝蓋骨も内側に外れやすくなります。それを予防するために、脛骨や膝蓋骨を内側に捻じれないように人工靭帯で予防する方法です。(右図:大腿骨の外・裏側になる種子骨と呼ばれる小さな骨と膝蓋骨や脛骨を人工靭帯で固定します。どちらか一本あるいは両方行われることがあります。)
    • 大腿四頭筋解放術:重症度が高い場合では、太ももの厚い筋肉(大腿四頭筋)が内側に向かわないように緊張を緩めてあげることがあります。
    • 矯正骨切り術:大腿骨の変形が重度な場合に、曲がってしまった骨を一度切断し、まっすぐにしてプレートなどで再固定する方法です。(専門性の極めて高い手術方法のため、整形外科専門施設をご紹介します。)
    • その他

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