熊本市南区 動物病院 烏城ペットクリニック | 犬・猫・うさぎ・フェレット・ハムスター
症例解説

軟部外科「 乳び胸 」

乳び胸とは
胸の中に溜まった液体を「胸水」といい、乳白色のリンパ液が胸水として溜まる病気を「乳び胸」と言います。胸の中に大量の液体が溜まると、肺を圧迫し呼吸困難が起きます。経過が長くなるとリンパ液の刺激によって胸の中の炎症が進み、肺などが硬くなり呼吸ができなくなる線維性胸膜炎に陥ります。

(X線検査画像〔左〕:X線検査画像では胸の中にリンパ液が溜まり、白い領域が広がって います。針を刺して乳白色のリンパ液を大量に抜きました〔右写真〕。)

小腸で吸収された脂肪(中性脂肪やコレステロール)はリンパ節やリンパ管を通って、リンパ液がプールされる乳び槽にまず溜められます。その後、胸管と呼ばれる太いリンパ管を通って胸の中を前方に貫通し、静脈に合流します。そして、血液とともに全身に届けられます。

外傷、腫瘍、フィラリア感染などの原因と関連があるものと、原因不明のもの(これを特 発性と言います)があります。いずれの原因であっても、胸の中を通る胸管からリンパ液が漏れだすことで発症します。犬では柴犬、アフガンハウンド、猫ではシャムネコなどに多いと言われています。

治療
  • 内科療法
    時間経過とともに自然とリンパ液が溜まらなくなる患者もいるため、まずは内科療法で治療を開始します。低脂肪の食事、定期的に針を刺してリンパ液を抜く(胸腔穿刺)、胸膜炎予防として抗炎症薬などが使用されます。

      (胸腔穿刺の様子:鎮静や麻酔は必ずしも必要ではありませんが、写真の患者は激しく暴れる性格のため麻酔をかけて胸に針を刺してリンパ液を抜いています。今回は超音波で確認 しながら針の位置を決めています。)

  • 手術
    内科療法を行ったにもかかわらずリンパ液が溜まり続ける場合は手術を行います。治癒率を高め、術後の再発率を抑えるために複数の手術方法を組み合わせます。
    • 胸管結紮(きょうかんけっさつ):胸部を通る胸管を遮断することで、リンパ液の流れをなくし胸の中に漏れないようにする手術方法です(結紮とは結んで縛るという意味です)。胸管の本数や位置に個体差があるため、胸管造影検査で事前に確認しておきます。

      (胸管造影検査:腸のリンパ管から造影剤を注入し胸管を白く造影しています〔黄色矢印〕。 この患者では胸管は1本で、胸の前方で造影剤が漏れていることが分かりました〔赤色矢印〕。)

      (手術写真・胸管結紮前後:矢印で指した管が胸管です。小さな血管クリップを4個使って胸管を遮断しました。)

    • 心膜切除:リンパ液は最終的に静脈に流れ込むので、心臓を包む「心膜」を切り取ることで心臓への締め付けを緩め、最終的にリンパ管の圧力も落とすことができると言われています。通常、胸管結紮と併用して行われます。

      (手術写真:矢印で示した部分が円形に切除された心膜です。最終的にさらに切除を追加し、心臓への圧力を減らしました。)

    • 乳び槽切開:おなかの中にあるリンパ液の溜まり場「乳び槽」を壊し、胸管・リンパ管の圧力が高くなるのを予防します。通常、胸管結紮と併用して行われます。
    • その他:その他の手術方法も開発され、現在も研究が行われています。

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